よくある事例1(数次相続)

 数次相続の場合、相続人の数が多くなります。その為、 日頃のおつき合いもなく長年会っていないこともあります。
時には、相続人の顔すら知らない相続人の方もおられます。
そんな場合、遺産分割をしようとしても面識もなく、同意ももらえなく遺産分割がスムーズに進まないケースが
多く発生しています。分割を進めようにも進まないのです。
 相続人の中には、いろいろな考えを持つ相続人もいます。
ある人は分割にスムーズに署名・押印に協力してくれる相続人もいます。ある相続人は法定相続分を主張する相続人
もいます。又ある相続人は違った考えを持つ相続人もあります。相続人が多くなるといろいろな考え方をもつため
遺産分割の協議が進まず、調停又は訴訟となる事も多いのです。

解決法
 相続人の家系ごとに日頃おつき合いのある相続人でまとめ役を捜します。そのまとめ役の相続人を通じて経緯を
説明して分割協議書に署名・押印を戴くことができる事があります。
実際、60人前後の相続の遺産分割協議で成功した事例があります。
問題点
 相続手続きには、相続関係の身分関係を証明する必要があります。戸籍関係の書類は市役所・町役場等で保管
していますが、保存年限は80年となっています。被相続人の戸籍は出生から死亡まで必要ですが、同一地で
戸籍のある場合は、収集は可能ですが転籍のある場合は収集できないケースもあります。又、住民票にあたる
戸籍の付票は以前は、現戸籍の付票・原戸籍の付票と収集できましたので、住所のつながりを証明できました。
しかし、平成の戸籍法改正により、現在戸籍の付票は収集可能ですが5年を超える原戸籍の付票は収集できません。
(ごく一部の行政では、提出してもらえる行政もあります。)
従い、住所の証明のできないケースが多く発生しています。
特に、不動産の相続が有る場合、登記簿上の住所と現住所・付票の住所が一致せず同一人物と証明するのに
苦労します。
(この場合、同一人物である上申書が必要です。)
上記のような理由から、あまり長期に亘り相続手続きを放置することはお奨めできません。
(戸籍・原戸籍の提出ができないため、続柄や相続人等が確認できなくなり相続人の証明ができない。)